当研究室のメインアイテムの一つ、ペレトロン加速器についてご紹介します


実験概要その1
 当研究室では主として中性子ビームによる原子核核反応実験を行っています。実験装置の全体は多くの装置のアセンブリとして1つの体を形成しており、それらは大別すると2つに分けられます。そのうちの初めのほう、中性子ビームを発生させるために、イオン源で生成した陽子ビームの加速装置をここで紹介します。核反応後、出てきた中性子やガンマ線を捕らえる検出器系については放射線検出器のページで紹介しています。


 

 その加速装置は粒子加速器と呼ばれ、加速粒子の特性によって種々の形態のものが存在します。当研究室にあるペレトロン加速器は、1931年に開発されたヴァン・デ・グラーフ型静電加速器といわれるものの改良版です。静電加速器は、電圧を作り出しそのポテンシャル中に荷電粒子を放り込んでやる事によって粒子が電界でひっぱられ加速される、という原理に基づいています。このペレトロンは、ヴァン・デ・グラーフ型加速器で使用されていた電荷運搬用のゴムベルトに代えて、金属ペレットを絶縁体で繋いだチェーンを利用することでより高い電圧が達成できるようになったものです。昭和52年に稼動し始めてから長年研究に使用されて来ました。勿論、現在もバリバリの現役です。
 写真は内部の様子で、使用時には赤い筒をかぶせてあります。大きなアルミの筒に、静電誘導で電荷を乗せたペレットチェーンにより次々と電荷が送りこまれ、高電圧を発生させます。またアルミ筒の中にはビームパルス化装置と一体となったデュオプラズマトロンと言われるイオン源が装着してあり、ここで陽子の生成・ビームのパルス化を行っています。生成された陽子ビームは高電圧で引っ張られ、真空のダクト中を途中沢山の磁石で制御されながらLiターゲットに入射します。


  
左:グラウンド側の裏を見た様子。
大小の四角い箱は四重極磁石で、磁場を掛けて陽子ビーム制御を行っています。
右:奥の台形の箱が分析マグネットで、ここで陽子ビームの行き先を決定します。



現在は4つのコースが設けられており、主として奥から2番目のダクト(30°コース)に導いてやります。
写真左奥に壁で仕切られている中性子ルームに入り、Liターゲットに衝突し中性子を発生します。


 
建物やペレトロンを管理する制御台です。テレビモニターは建物の主な3つの部屋(ペレトロン・中性子・重イオン)を監視するためのものです。
ガンマ線や中性子線のエリアモニター、インターロック(安全のための連動装置)などもここで管理します。